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代表橋本光よりヨーガ便り【5月6月合併号前半】

2023-06-07 14:30:45
 読者の皆様へ
梅雨の季節。紫陽花の美しいこの頃ですが皆様お変わりございませんか。
しばらくぶりにヨーガ便り5月6月合併号をお送りいたします。
 
1978年オランダで1年沖ヨガを普及し帰りにインド、台湾、広島に立ち寄ったときの回想記です。
 
沖先生という傑物の人材の育て方は実にすごいところがありました、
 
宜しかったらごゆっくりとおたのしみください。
 
橋本光
 
 
********************オランダ滞在記*****************************
 
[ 一人オランダに残って *********]
 
8月半ば過ぎにアムステルダム郊外のスキポール空港にて帰国される沖先生一行を見送って後、私は1人、オランダにて沖ヨガの普及に取り組むことになりました。
 
フランスで長年、沖ヨガ普及に尽力してこられた玉木さんのお陰でオランダ活動も大変やりやすかったと思います。
 
私は沖先生の指示に従って9月10月の2ケ月の間にオランダ沖ヨガ文化交流協会なるものの設立に向けての準備も含め、翌年の禅ヨガサマーキャンブの準備などを視野に入れて活動を始めました。
 
ありがたいことにサマーキャンブにて協力的であった中国系オランダ人のロバート君、ジェームス君、ルースそしてモダンダンサーのアンネウェルスマン、ユースセンターのメンノ、アムステルダム、
イーストウェストセンターのリーダー、さらにバーナフェルトのお城を改造したスポーツスクール経営者のピーター夫妻、フローニンゲンのケースプロンク、の皆さん達が私のオランダでの活動を大いに支えてくれました。
毎日のように電車のパスを持ってオランダ各地で沖ヨガを9月初めから巡回指導はスタートしました。
 
各地で沖ヨガのクラスを始めるに際して沖先生の著書を何冊か持っておれば指導に厚みが出たことと思いますがまさかオランダに残るとは考えたことはなく1冊も持ち合わせていなかったのでした。
 
その為、アムステルダムのイーストウェストセンターにてマクロビオティックの久司道夫先生のナチュラルヒーリングと言う名著を手に入れ生徒にヨガと関係の深い東洋の陰陽哲学、
養生法の入門的な講話をして沖ヨガクラスの補足としました。
 
またこのナチュラルヒーリングは英語版でしたので生理、解剖学上の専門用語や陰陽哲学用語が英語で直接学べ英語でのヨガクラス指導に大変役立ちました。
 
陰陽哲学の話の中で日本の日常生活の中でどれほど陰陽哲学が生きているかなど話しました。
 
陰は遠心力で、広がりの力であり、また冷やす力でもある。陽は求心力、収縮力であり、また温める力である。
 
アーと言う言葉は陰の広がりを表し、ウーと言う言葉は陽の求心力を表す言葉である。
 
陰陽で言えば女性は陰を男性は陽を表す。
 
よっておかあさんの中にアがおとうさんの中にウと言う陰陽の音、響きが入っているのですね。
 
ハタヨガのハは太陽をタは月を表す。よってハタヨガは陰陽の力を調和することを意味するなど。
 
<沖先生の人の育て方>
 
そのような巡回指導を始めてから1ヶ月半経ちかなり翌年の目処も付き、オランダ沖ヨガ文化交流センターの構想案も
立案出来た為、9月半ばに私は沖先生の指示通り三島に10月半ばを目途に帰国の許可を願うためTELしたのでした。
 
電話に出た事務所の職員が沖先生に繋いでくれました。
沖先生は[どうした!!] と一言おっしゃいました。
 
私は [そろそろ帰国の準備をしてよろしいでしょうか?]と尋ねました。
 
沖先生は[来年夏にまたヨーロッパに行くから、それまでオランダで普及活動を続けておくんだ]と一言、電話を切られました。
 
私は一瞬エッと言葉を無くしましたが元元沖先生について行くつもりでしたから与えられる難問、試練からは決して逃げないと腹に決めていましたので大きく動揺することはありませんでした。
 
むしろどうやって来年まで活動を続けたら良いのだろうかとある意味大変不安ながら[ やったるでー ]とワクワクしてかえってやる気に火がついたようでした。
秋になりオランダの昼は短くなり、北国だけに澄んだ夏の青空も何となく郷愁を引き出すような寂しい秋の青空に変わって行きました。
 
<オランダ各地のヨガ教室の素顔>
 
ただありがたいことにオランダの生徒達は熱心に私の沖ヨガクラスに通ってくれました。
 
その内、三島の道場本部と連絡を取りアムステルダムのイーストウェストセンターのヨガクラスでは安産ヨガのクラスを始めることを提案し許可をもらいました。
 

 
合掌合蹠法やイージーチャイルドバース向けのネコのポーズ、逆転系のポーズなどを妊婦さん達に指導しました。
 
10人近く妊娠したお腹の大きなお母さん達が集まりました。
 
オランダの女性は大柄で背は170~175cmくらいある方も多く、大変明るくかつ素朴でやりがいあるクラスだったと思います。
 
毎日オランダのアチコチの町に沖ヨガ指導に行ってましたがいくつか印象的なクラスを
回想したいと思います。
 
1つはバーナフェルトと言う田舎町の森の中にあるピーター夫妻が経営する武道中心のスポーツスクールでの思い出です。
 
大変美しい森の中の中世のお城をキレイに改装され1fは空手そして柔道の道場、2f3fは家族の住居でした。
私は毎週水曜の夕方、夜にバーナフェルトのピーターの道場に到着し、その晩は豪華な部屋をあてがわれ一泊しました。
 
朝早く起きピーター達仲間と森の中をジョギングするのです。大変美しい森で朝日が木々の間に光りを差し、その霊気は素晴らしい活力を与えてくれました。
 
時折、ウサギや鹿達が森の中を走っているのをしばしば見かけました。
ジョギングから戻り、少し休んでから今度はピーターの韓国空手、テコンドーの入門クラスで皆と共に汗をかきました。
 
 
 
その後、私の沖ヨガクラスです。ヨガの基本ポーズと丹田強化を目的として二人組生命強化法、身体の歪みを取り除き体が無理のない自然体に向かう基本修正法を指導しました。
老若男女合わせいつも10人前後の楽しいクラスでした。
 
欧米の方は何事も分析的に頭でモノを考える傾向が強いため、ヨガクラスでは頭で分析する代わりに出来るだけ感じる力を養うことをテーマに身体の刺激の様子を感知する大切さを教えていました。
 
アムステルダムのアンネウェルスマンのダンススタジオでは生徒達はほとんどがダンサーなためダンサー特有の足腰の偏った使い方、骨盤の歪みなどを除く沖ヨガの浄化体操、呼吸体操、腰腹力強化法、基礎的身体修正法など動的修練と心を無に向かわせるローソク瞑想など静的修練を指導しました。
 
<インターナショナルディスカッショングループからの講演依頼>
 
ある日、インターナショナルディスカッショングループと言う団体からヨガのレクチャーを頼まれました。
 
私はどのような団体か知らないけれどこれも勉強と思い引き受けました。
 
その日が来ました。
私の下宿先、フラットに高級車が横付けされました。そのグループの方が迎えに来てくれたのです。
 
私が玄関に出ますと迎えに来てくれた紳士は怪訝そうな顔をして君のグル、マスターハシモトヒカルはどこにいるのかと聞いて来ました。
 
私は自分がハシモトヒカルだと言いましたらびっくりした表情で一瞬考え込んだ様子でした。
 
どこでどう間違ったのか私ハシモトヒカルを沖先生と勘違いしていたことがわかりました。
 
そのグループは大使館街で有名なデンハーグにある世界中の外交官達で構成されている政治、経済、宗教などあらゆるジャンルで一流の講師を招いてディスカッションすると言う国際的な知的グループでした。
 
私も先方も一瞬途方にくれましたが結局、私は沖先生の弟子の1人として沖先生に代わって講義をすることになりました。
 
私はヨガ好きの若者が集まる10人?20人程度のグループだろうから一緒に沖ヨガを実習すればそれで良いだろうとタガをくくっていたのでした。
 
参加者は60名とのこと。皆さんインテリの方です。
 
ホントに私で務まるのだろうか。
 
世界中の外交官を前にブロークンイングリッシュで私はどのような話をすれば皆さんを満足させることが出来るのだろうか。
 
車がデンハーグに向かう道中追いつめられる気持ちの中で頭はグルグルと周り続け考えはまとまりませんでした。何をどう話せば良いのか結論は出ません。
 
ふと思いました。沖先生ならどうされるだろうか。
 
とその時、沖先生の声が聞こえたような気になりました。
 
ハシモト、お前はどこの国の人間として自己紹介するつもりなんだ。
 
***オランダ人としてです。
 
なぜそう言えるのだ。
 
****今私はオランダでオランダの空気を吸いオランダの水と食べ物を頂いて生かさせてもらっているからです。
 
そうだ!
 
次だ!東洋と欧米の一番の違いは何なんだ!
 
インドで俺がヨギからアリを今日一日何匹踏み殺したか聞かれたあの話を思い出しなさい。
 
******両者の違いは欧米人がモノごとを分析的に考えるに対して東洋ではモノごとを統合的にとらえ、かつモノを生きた状態で感じ取ることにあると思います。
 
****感知力、感じる力が考える力より今の時代、世界では特に欧米の方たちには必要かつ大切と言う話ですか。
 
そうだ!
 
その力を高める実践法もヨーロッパ禅ヨガサマーキャンブで教えているはずだ。
 
****そうです。教わりました。
 
幻の沖先生との問答はわずか数十秒くらいだったと思いました。
 
車は会場に到着しました。
 
私は会場にて沖正弘先生の弟子の1人として紹介されました。
 
もう逃げも隠れも出来ない。
ただ突破するしかない。あたって砕けろ!だ。
 
私は自己紹介を始めました。
 
私には日本人の血が流れ、パスポートでは日本人となっています。私はもう一つの国のパスポートを持っています。
それはヨガ国のパスポートです。ヨガ国のパスポートには今は私はオランダ人と記載されています。
ヨガ国のパスポートは面白いパスポートです。国籍は今滞在している国の名前が勝手に浮き上がって来るのです。
 
その国でその土地にできる食べ物、そして水、空気、太陽の恩恵を受けているのでその国の人となるのです。
 
また同時に今この会場は私に取りましては聖地なのです。
 
ヨガ国のパスポートには今あなたがいるところが聖地であると記載されています。
 
それではただ今からこの聖地にて同じオランダ人の皆さんに私の師沖正弘先生の沖ヨガ道についてお話しさせて頂きます。
 
皆さんは黙って聞いてくれていましたが中にはウンウンとうなずいている方もちらほら見受けられました。
 
また後には少し椅子に座って出来る直感力養成ヨガを実習したいと思います。
 
そして私は続けました。
 
皆さん、私の師、沖先生はかねてよりこのように仰っています。
 
欧米の方はモノを分析的に捉えようとされます。そのお陰で科学は発達しました。ただいくら分析しても分析だけでは分からないモノが多くあります。
 
人の思いやりなどは分析して分かるものでは無く、受け止め、感じて初めて分かるものですと。
 
<生命の声とは>
 
今日は今からイスに座ったままで日本的なヨガを実習します。ご自分の身体と対話する気持ちでヨガをやった後の呼吸の状態、心の状態を観察し命の声を聞いてください。
 
沖先生は命の働きこそ神ご自身であると仰っています。
この命の働きについて少し話をさせていただきます。
 
ある時、沖先生が米国におられた際に、キリスト教会でヨガの話をされたようですがその時のエピソードをお話します。
 
ある信徒の方が聞いたそうです。沖先生、私は長くクリスチャンとして神を信仰していますが、未だかつて沖先生のおっしゃるようには神を身近な存在として感じることは出来ません。どうしたら神の存在を身近に感じることは出来るのでしょうか。
 
沖先生はこう仰ったそうです。
 
それではあなたに神の存在をその場で感じてもらいましょう。バイブルを持ってこちらへいらっしゃい。
 
その信徒はバイブルを持って沖先生のところへ向かわれました。
 
沖先生はやにわにそのバイブルを持ってその信徒さんの頭を叩いたのです。
 
信徒さんは思わずアウチ!!と痛みの為頭を抱えて声を上げて叫びました。
 
沖先生はその痛みを感じて発したアウチという叫びこそ命の働きであり神の声といって良いのですと話されたというのです。
 
この話を皆さんは熱心に耳を傾けて聞いてくださいました。
 
沖先生の教えをいろいろお聞きし、また直接教えを受けていましたのでその場でそのような話が出来たと今となっては思います。
 
私は会場が1つの空気に落ち着いた感じがしましたのでそれを確認して後に五大母音を発声しながらの発声体操や手足を揺すぶる揺振法、丹田強化法、呼吸法、瞑想法
などそれまで沖ヨガ道場やサマーキャンプで習った教えを総動員して指導に当たりました。
 
私に取っては冷汗ものの講話会でしたが沖先生の教えを伝えることでなんとか皆さんには若輩者の私に対してただ一生懸命さだけは認めてもらえたように感じます。
 
そしてその時、今はまだまだ自分の考えを述べるには早すぎる。一途に沖先生はこう仰った、こう教えて下さったと伝えるに徹しようと強く思いました。
 
このような貴重な経験も踏ましてもらえたことは今となっては大変な財産と思っています。******
 
<10年ぶりの寒波の到来>
 
秋は過ぎいつの間にか北国のオランダにも冬がやって来ました。
 
何年かぶりの寒波が到来し連日マイナス10度という寒さが続きました。あいにく私の借りていたフラットのエアコンは故障し数日は部屋の中のコップの水も全てカチカチに凍りつきましたがヨガのおかげからか風邪を引くことも無く毎朝のジョギングも続けていました。
 
アムステルダムの名物、運河からは湯気が立ち上り、海べは凍り、天然のアイススケートリンクと化し大勢の子どもたちがスケートを楽しんでいました。
 
<二人の超能力者>
 
オランダに滞在している間に旦那が眼科医という山本スガ子さんという日本人女性と知り合い毎週、山本さんファミリーとその仲間にヨガを教えていました。
ある日、山本さんがオランダで有名な超能力者であるクロワゼを招いての集いを自宅にて開催するから
と声をかけてくださいました。
 
世界的な透視能力者だけに驚くべき内容の話でした。
 
20人くらい集まったと思います。
私はクロワゼ氏の名前は聞いたことがありませんでしたが
日本においての誘拐事件で日本の警視庁から犯人捜査の依頼を受けたことがあり、そのことが帰国後たまたまテレビで特集番組で報道されていました。
遺体の場所をクロワゼは透視術、クレアボヤンスで見事見つけたわけですが一体なぜ分かるのか不思議としか言いようがありません。
 
またある日、ヨガの生徒の一人が物質化現象等を引き起こすとし世界的に有名なインドのサイババという聖者の映画を上映するから見に来ないかと誘いを受けました。
逆さにした壺から無限に聖灰を出している記録映画でした。
 
このように沖ヨガ活動を通してオランダで二人の世界的な超能力者の存在を知ることとなりました。
 
この二つの出来事は帰国後、本山博先生による心霊手術の研究はじめニューサイエンスや多次元世界、チャクラやクンダリニーへの関心理解への大きな足がかりになったように思います。
 
沖先生は不思議と思われる出来事については簡単には信じるな。自分で確かめてから体験してから信じられるものかその是非を考えろと常に説いておられました。
 
ヨガは思い込み、人の意見に振り回されることなく事実に基づいて自分の体験で検証し確かと思われることを拠り所として生きて行く大切さを教えているのです。
 
良く考えもしないで簡単に結論を出すと大変しかられたものです。
 
そのように日頃から科学的に証明出来ないものには簡単に結論は出さないという訓練を受けていましたので不思議な現象に出会ってもそれは何らかの理由でありえるのだろうと否定も肯定もせず一度棚に上げて振り回されることはありませんでした。
 
毎日のようにヨガのレッスンを教えに巡回していました私はいろいろなここでは書ききれない体験をしつつ、いつの間にかオランダで秋冬を過ごし春を迎え夏が近づいて来ました。夏のサマーキャンブの最終的準備にかかり始めた頃、三島の本部から連絡がありました。
 
<一時帰国の準備>
 
翌年の三島本部での第1回禅ヨガ世界大会の開催に向けての打ち合わせ会議に翌月一時帰国するようにとの連絡でした。
 
私は急ぎ一時帰国の準備にかかりしばし生徒達にまたもどるまで元気にヨガ的生活を続けて待つようにと伝えて一時帰国することにしました。
 
私はいつ帰国すれば良いか本部に聞いて見ました。本部の話では帰国する際はオランダから直接日本に帰国するのではなく途中インドに立ち寄ってボンベイのゴパールポヘーカー氏に会って来て欲しいと沖先生のお話ですとのことでした。
 
私はゴパールポヘーカとはどのような方で住所、連絡先等も教えて欲しいと頼みました。
 
それから本部から連絡が来ました。ゴパールポヘーカさんについての情報ははインド、ボンベイで一番のサリー商人ということだけでした。
 
*****************前半を終わります。*****************
次回近いうちに後半を配信します。お楽しみに!!
橋本 光

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